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2019/07/25

吉本の芸人が平均いくら稼いでいるのか試算してみた

※写真は私の好きな芸人である吉本所属のタカタ学園というコンビです。

 

さて、お笑いといえば、ヨシモト。「吉本興業」がニュースになっています。

反社会勢力との金銭のやりとりが吉本の芸人複数名に対して発覚した問題から、宮迫博之氏、田村亮氏らの会見、松本人志氏の「松本動きます」Twitter発言、そして会社としての岡本社長の記者会見など、そして、スッキリでもお馴染みである加藤浩次氏が吉本と話し合いをしたり。最近、毎日世間を賑わせています。下手すると、選挙よりも注目されているのでは?と感じさせるほどの注目度です。

さて、そんなニュースから派生してきた問題があります。

闇営業をする原因として、

「吉本の芸人のギャラが安すぎるから闇営業をしてしまうのでは?」

という視点です。

岡本社長曰く、売上に対しての芸人への報酬の割合は(吉本との取り分との比は)「5:5」あるいは、「6:4」の報酬配分だそうですが、「9:1だよ!」という某芸人の声も上がっています。

これはよくわかりませんね。そんな今こそ、「計算」が必要なときです。数字感覚で、実際に推測してみましょう。

 

吉本の売上データは、実は吉本は2009年に上場廃止になっており、今は詳しい売上や財務データは一般に公開されていないようです。2009年の売上高が488億円で、その当時の従業員数は610名。(2009年6月発行の有価証券報告書より)。

今の売上がわからないので、従業員数から推測してみます。仮に従業員数に伴って売上高が(比例的に)伸びたとすると、今の従業員数は865名(公式WEB)ですから、今の吉本興業の売上は約700億円程度だと推測できます。

そして、この売上700億円は、芸人約6000人から生み出されているようです。

つまり、ちょっと割り算をすれば、芸人一人あたりの売上高が算出できるわけですね。

700億円÷6000人=約1170万円

となります。つまり、芸人1人あたり約1200万円の売上高だそうです。
そして、報酬が吉本との取り分5:5なら、1人あたり平均なんと600万円

年間報酬が600万円とは、かなりもらっていますね。

「芸人はつらく、厳しい・・・、大変だ・・・」という話から、ちょっと現実的でないように思ってしまいます。あまり信ぴょう性はなさそうです。

 

仮に、売上に対して9:1の報酬の割合ですと、一人あたり120万円の平均報酬に大幅減額となります。つまり、芸人一人あたりの報酬は月平均10万円となりました。あくまで平均なので、ちゃんと売り上げているトップの芸人も交じって平均ではありますが、確かにしっくりくるかもしれませんね。たしかに月10万円ではなかなか厳しい生活になりそうです。

 

■本日の計算法

〇従業員数に比例して売上高が伸びたと考えたときの計算法

・488億円×(865/610)=692億円 という計算になります。

〇芸人一人あたりの売上高を求める計算法

700億円÷6000人=(7÷6)×(100億÷1000)=1.17×1000万=1170万円 

大きな数の計算方法を応用すればこのように計算できます。

 

■一歩先の数字力

パレートの法則、ご存知でしょうか。経済学者ヴィルフレド・パレートが発見したと言われており、別名80:20の法則ともいわれています。

売れ行きの商品2割で、全体の8割もの売上をつくっている、という法則です。例えば、ラーメン屋は様々なメニューがあり、ラーメン、ギョーザ、メンマ、チャーシュー、ビール、など様々ありますが、一番売れているのがラーメンで、ラーメンだけで売上の8割、といえば、納得すると思います。ラーメン屋ですからラーメンが一番売れるでしょう(笑)他の商品も売上は上げているのですが、主力というほどの売上は誇っていないはずです。

芸人の世界は全員平等の世界からは程遠いことは容易に想像できます。ごく少数の超人気芸人がいつもテレビに出ており、我々は吉本の約6000人いる所属芸人の中の一握りの芸人しか見ていません。これが意味することは、ほとんどの芸人は、売り上げていないという事実です。ごく一部の芸人ばかりに売上が集中しているはずです。このパレートの法則をそのまま用いれば、つまり、芸人の2割で吉本の売上8割を担っていると考えてみれば、さらに面白いことがわかります。

売れている芸人一人あたりの売上高は、

560億円÷1200人=約4700万円

そして、売れていない芸人一人あたりの売上高は、

140億円÷4800人=約290万円

となります。こちらの方が先ほど計算した売上高よりもずっと現実的な数字でしょう。
売れていない芸人に注目したとき、売上の1割が芸人一人あたりの報酬と考えるとそう29万円。この金額は年収であって月収ではありません。

約5千人もの芸人が年間平均報酬29万円・・・。

さらにそれを1ヶ月あたりの報酬額とするために12で割って求めてみれば・・・

そう、「アルバイトをしなければ暮らせない」

そんな現状が見えてくるはずです。

これ以上の明言はやめておきましょう(笑)ぜひ考えてみてください。

うん、闇営業したくもなる気持ちはわかりますね(泣)

 

単純に割り算、計算するだけでも面白いですし、このように一歩先まで踏み込めば、さらに面白い景色が見えてきます。

 

※ここでの計算はあくまで試算であり、内情は知りません(知っていたとしても書けません)ので悪しからず。

 

■参考URL

・吉本興業ホールディングス
https://www.yoshimoto.co.jp/corp/info/

・タカタ先生(タカタ学園)twitter
https://twitter.com/takatasennsei
※高校の数学教師をしながら芸人を務め、さらにロマンティック数学ナイトの司会を務めるなど数学界では超人気芸人です。

 

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