データセンスを高めるために マスログ

2019/06/26

ZOZO前澤さんのツイートから靴業界がどうなっているのか計算してみた

先日、世間をいつも賑わせているZOZOの前澤さんがこんなツイートをしていました。

「ZOZOMAT」という新しく足の形を高精度で3Dデータ化し、最適なサイズの靴をお届けするサービスを開始するとのことでした。

気になっていろいろと調べました。

しかし、ここで語られていることが本当にそうなのか調べてみたところ、とんでもない事実がわかりました
数字で見ていきます。数字で語られる前半後半と2つに区切ってみていくと、

 
>靴の国内市場規模は約1.4兆円で、1人あたりの年間靴消費量は約5足とも言われています。

 
>例えば、その5足のうち1足でもZOZOTOWNで買っていただければその規模は約2800億円。現在のZOZOTOWNの靴の取扱高は約360億円。

 
という2つの文章にわけられ、後半はよい分析ですね。
5足のうち1足でも買えば、1兆4000億円×(1/5)=2800億円、その通りの分析となります。

しかし、問題なのは前半の文章です。

 

1兆4000億円で、年間靴消費量は5足。
つまり、日本国民1.2億人からすれば、
一人あたり約1.2万円を年間靴に使っているということです。

そして、1足あたりの値段を出してみます。
計算式は、
1.2万円÷5足=2400円

つまり、平均で、1足2400円の靴を5足消費している、という計算になるわけです。

ここでふと思ったわけです。

 

「2400円の靴ってそんなに売っているのかな?そもそも年間5足も買うか?」

と。

なぜなら、2400円以下の靴をあまり見たことがありません(笑)もちろん、ないわけではありません。靴小売業界最大手であるABCマートの通販WEBで2400円以下の靴で検索すればある程度の量出てきます。ですので、2400円以下の靴がないわけではないとは思いますが、仮にそれが正しいとしても、本当に、年間5足も買うのでしょうか

例えば私堀口は人前に出ることが多い仕事ということもあり、革靴が多いので、最低でも1万円を超えてきます。スニーカーも持っていますが、やはり1万円前後になります。そして、1足を買ったらメンテナンスも丁寧に行うので、数年履き続けます。新しく買う靴は年間1足買うか買わないかといったところでしょうか。

お客様女性2名にも聞いてみたのですが、やはり「2400円の靴は買わないですね・・・」ということでした。

 

実際に他サイトもいろいろと検索で調べてみたところ、この市場規模と靴の輸入量と国内生産量から年間消費5足は本当の数字らしいのですが、あまり実感を持てていません。

とあるアンケートサイト(リンクは貼らないでおきます)によると、男性の85%以上が年間2足以下の購入。女性の7割以上も年間2足以下の購入となるようです。ご存じの通り、「平均」は外れ値に吊り上げられる効果はあるものの、ものすごい大量に靴をそもそも買わないと年間平均5足は達成されません。(仮に年間100足買う人が人口の1%でもいても、平均靴購入数がたった「1」増えるだけで平均5足に達成することはありません。そもそも年間100足買う人なんて存在するのでしょうか・・・。)

ですから、C(customer)ではなく、B(business)としての購入・消費がされているのか、事情がわかりませんが、計算するだけで怪しい雰囲気が漂っております。

ぜひそのあたりの事情が詳しい方おりましたらぜひご連絡お待ちしております。
(誤解のないように言っておくと、前澤さんの間違いを指摘したくてこのツイートをしたわけではなく、こういう数字を見たときに計算をしてみること、計算力・数字力を活用すること自体面白く、いろいろと考察する材料になるよね!という内容でした。)